ここに行った美術展のことをメモしておこうとしては、書かなくてはならないメールがあることに気づき、そして、メールを書こうとしては、そうだ、美術展のことをメモしなくてはと思い、結局、どちらも進まないという老人病。


*クリスチャン・ボルタンスキー @東京都庭園美術館 2016 9/22〜12/25
リニューアルした庭園美術館はまだ寒い頃に一度行ったけど、そのときはガレ展をやっていて、けっこうたくさんの作品が置かれていて、建物そのものを見るには向いていなかった。
今回は落ち着いて建物を見ることができた。
しかし、建物の中を歩いていると、ぼそぼそと日本語で喋る声がずっと聞こえていて、なんだろうなあと思っていたら「さざめく亡霊たち」という作品だった。


*水―神秘の形 @サントリー美術館 2015 12/16〜2016 2/7
重要文化財 《日月山水図屏風》
石山寺縁起絵巻 谷文晁


黒田清輝展 生誕150年 @東京国立博物館 2016 3/23〜5/15
黒田清輝の先生のラファエル・コランの絵にものすごく驚いた。


*原田直次郎展 @神奈川県立近代美術館 葉山
ミュンヘン森鴎外と知り合い、終生の友情を結ぶ。『うたかたの記』の画学生巨勢のモデル。
《騎龍観音》もたいがい妙な絵だと思うが、他にも八岐の大蛇を退治している画の中に、唐突にプードルのような犬がキャンパスを破って顔を出している絵があり、あまりに強烈でそればかり覚えている。


*英国の夢 ラファエル前派展 @Bunkamura 2015 12/22〜2016 3/6
美術史史上、もっとも厨二病な画家たちと、とある人が言ってるのを聞いて吹き出した。


安田靫彦展 @国立近代美術館 2016 3/23〜5/15
15歳と16歳の時の絵から展示がはじまっていたのだが、こんな子が弟子入りしてきたら、先生はうれしくてしかたなかっただろうなと思った。
昭和21年に《謡坂》という絵を描いていて、これは「合戦に敗れて落ち延びた源頼朝の唯一の従者、土井実平が喜びのあまり、謡を歌い舞う場面」とのこと。


*大妖怪展 @江戸東京博物館 2016 7/5〜8/28
人が多くて、あんまり見てない。行っただけ。
奈良で《辟邪絵 神虫》みておいてよかった。
しかし、妖怪展に土偶があるのはいかがなものか。


恩地孝四郎展@東京国立近代美術館 2016 1/13〜2/28
展示数が多くて、結局、あまり印象に残っていない。
油絵がいくつか出展されていて、それが版画や抽象画の恩地孝四郎作品とはずいぶん印象がちがっていた。


*吉田博展 生誕140年 @千葉市美術館 2016 4/9〜5/22
山の絵があまりに美しい。登山家なのだと聞いて、高い山をさらに高いところから俯瞰した絵の広がりが腑に落ちた。
明治32年に渡米して、自分の絵を売りまくって旅を続けたという話に感心する。
水彩、油彩から木版画へと遷っていった画家。


*はじめての古美術鑑賞@根津美術館 2016 7/23〜9/4
かわいらしくてためになる美術展だった。行ってよかった。