近況

来週になったらワールドコンについての追記をするつもり、などと、今月初めの日記に散々書いておいて、それっきりになっている。気がついたらもう月末。今月、私は何をしていたのだろうと自分でも不思議だ。


ワールドコンが終わった翌日から、塾の先生になった。前々からこの塾がやってる通信教育の添削をしていて、その延長線上にあるような仕事だろうと、塾講師の募集に応募したのだけど、実際には、添削と実際の子どもを前にして教えるのでは、ものすごく大きな違いがあり、そんな当たり前のことになぜ応募前に気がつかなかったのか、研修が始まって愕然とした。三ヶ月の研修は私にとっては結構厳しいものだった。特に前半は、自分が何を求められているのかわからないまま研修を受けたので辛かった。
そんなこんなで、学校も先生も子どもも嫌いな私がうっかり先生と呼ばれるようになったのだが、先生といっても、別に数学とか物理とか漢文とかそんな難しいものを教える先生になったわけじゃなくて、小学校低学年相手なので、体力勝負みたいな内容だ。教える時間よりも、授業の準備したり、通ったりする時間の方がずっと長くて、効率が思った以上に悪いのだけど、始めてみると思ってもなかったいろいろなことがあって、おもしろい。


仕事といっても別に毎日出かけるわけじゃなし、ぼつぼつの勤務形態なのでそんなに忙しいわけじゃないはずなのに、気がついたらT教室の提出作品が書けてなくて、四苦八苦した。作品提出だけはなにがあってもしようと決めているのだけど、今回こそは(前にもこんなこと書いたような記憶があるけど)とうとうだめかとあきらめかけた。なんとか25日の最終締切には間に合って、ほんとに心からほっとした。なんていってるうちにそれから一週間が過ぎて、この日記を書こうと思ってからすら、幾日が過ぎ、それなのにあいかわらずこれといって何も出来ないで今月も終わっていく。


あまりに非生産的な話を書いてしまったので、せめて、今月読んだ本から。

今日の早川さん

今日の早川さん

買ってすぐ電車の中で読もうとして、最初の『啓示空間』ネタでブハーッと吹いてしまった。そこからは注意深く心を落ち着けて読んだのだが、P65の「ヒネクレもの」を読んで、とうとう我慢しきれず、再度ブハーッ。どこを読んでも、あるある、と言いたくなるが、それって半分くらいは「自分にあるある」だ。その上、私は彼女たちほど若くはないので、さらにイタイ状況になっている。


戊辰物語 (岩波文庫 青 431-1)

戊辰物語 (岩波文庫 青 431-1)

ダブリ本だからといってもらった本なのだが、何の気なしに読み始めたらおもしろくて先へ先へと読むこととなった。どんな本かというと、こんな本。

明治維新の動乱を経験した高村光雲ら故老からの聞書をもとに、当時の庶民感情・時代の気分が粋な語り口で語られた維新の側面史。戊辰戦争から60年目の昭和3年正月、『東京日日新聞』に連載された表題作に「五十年前」「維新前後」を加えた本書は、敗者の側から見た維新の記録としても貴重なもの。(表紙より)

光雲の話は本書に限らずなにを読んでもおもしろいが、ここでも、象牙彫りにおされて木彫家が苦労した話がおもしろおかしく語られている。他にも明治の軍艦「清輝」が、日本を出て三日目には暴風雨に短船を持って行かれながらも、ヨーロッパを廻ってむちゃくちゃする話(子爵井上元帥談)や、「わしが初めて柔道と名付けた」の嘉納治五郎翁の話等、飽きない。


明治の話題 (ちくま学芸文庫)

明治の話題 (ちくま学芸文庫)

そういえば、以前、私を指して「この人は、内田魯庵をみんなで音読するような変わった会に入ってる人なんですよ」と紹介してくださった方がいるのだが、その変わった会なる明治賢人研究会は、『明六新聞』を経て、今は柴田宵曲の『明治の話題』を音読してます。


さて、マンガ。

精G

精G

なんとあのひさうちみちおの老母介護の話。


コロポックル[完全版] (KCデラックス)

コロポックル[完全版] (KCデラックス)

完全版にひかれて購入。解説によるとこの作品は、花輪和一が人生で最も苦しい時期、本人の言葉を借りれば、地獄巡りをしている時の作品だそうだ。作品の印象は正反対。生命力もりもりの一冊。


おおきく振りかぶって (1)

おおきく振りかぶって (1)

単行本化された8巻まで一気読み。文句なしにおもしろい。爽快。連載に単行本化が間に合わないほどの快進撃らしい。