2005-01-01から1年間の記事一覧

植田正治@東京都写真美術館

これが私の今年最後の美術展。今年はいろいろ見逃したものも多い上に、ちっとも感想残していない。 東京都写真美術館開館10周年記念特別企画展 植田正治:写真の作法 「僕たちはいつも植田正治が必要なんだ」前から好きな写真家だが、まとまってオリジナルプ…

読み散らかしてはいけない 

前回の授業についてなにも書かないでいるうちに明日はもう今年最後の授業だ。 時々、さほど内容に興味がなくても新人賞を取った作品を読んでみようかな、という気になる。新しいものを読むとか、最近の傾向を知るとか、もっともらしい理由はあるのだけど、結…

『順列都市』増刷

朗報である。長らく買えなくなっていたグレッグ・イーガンの『順列都市』が増刷されるそうだ。 訳者の山岸真さんが、正式決定なので多くの人にお知らせしたいとおっしゃっている。 どうしても読みたくて既にネットオークションで高値で買った方も多いのでは…

苦手なこと

誰かのためになにかをするということがつくづく苦手だなと思う。だれぞに尽くすなんてとんでもない話だ。 人並みに誰かの喜ぶ顔が見たいなどとたまには考えるのだが、あれこれしているうちに途中でどうでもよくなり、自発的に始めたことなのに「どうして私が…

売れっ子と新人

アルバイトのために石田衣良の本を読んだ。ほんのたまになのだけど、私はマイナーな沿線情報誌に本の紹介文を書いている。主婦のバイトとしてはなかなか効率がよいバイト料をもらえるので大好きなバイト。大好きだけど紹介する本にいろいろ制約がありチョイ…

あなた色になるリップ

「ソニープラザ全店でいま、一番売れてる商品!」のPOPに惑わされ、リップグロスを買った。チューブに入った透明なジェルなのだが、唇に塗ってちょっとするとピンクに発色する。この発色が人によって差が出るらしい。そこがつまり「あなた色になる」というゆ…

あれこれ

はてなリングの「ノンジャンル読書者のウェブリング」に参加した。 実ははてなリングってなんのためにある機能か全く理解していなかったのだけど、このリングを作ったnijimuさんの書かれたものを読んでちょっとわかった気がした。 しかし、参加した理由はそ…

十一月十九日

晴天。本日も教室は満杯。盛況である。さて、今回の講評は最近入室なさった方々の初回提出の作品が続いた。 初めて講評してもらった時、私はかなり緊張した。緊張するというのは過剰な自意識のせいともいえるのだが、やはり、いままでほとんど他人の目に触れ…

明治賢人研究会

今回も引き続き『魯庵の明治』の「下谷広小路」の段。 南北戦争の勇者グラント将軍歓迎会やら、「ザンギリのデブの豪放磊落の南画の女先生奥原晴湖」に木戸孝允が潤筆料二百円を支払った話などをゆるゆる読み進む。 新参者なのでよくわからないが、次回でこ…

非恋愛

その男は決して妻の悪口を言わなかった。それは長い間大変好ましいことに思えていたのだが、ふと、悪口を言わないのは、単に妻を一人の人間として認識していないからではないかと思った。そう考えると妻以外の女性に対する彼の姿勢にも合点がいった。家では…

浅倉久志さん 柳下毅一郎さんトークショー

国書刊行会 R・A・ラファティ「宇宙舟歌」刊行記念 「ラファティの魅力を語る」 浅倉久志さん 柳下毅一郎さんトークショー 日時 11月10日 会場 三省堂神田本店 一夜たってもまだ興奮さめやらぬ私である。なにしろ、あの浅倉久志さんにお会いしたのだ。こんな…

恋愛

男性側が相互依存的だと思っている恋愛の多くは相互依存ではない。本当の相互依存の場合、男性は自分が一方的に支えていると思い込んでいることが多い。相互依存だと思ってるときは、たいていが女性に支えられているだけなのだ。そういうときに、余裕がある…

講評の日

先生に提出作品を誉めてもらったので、たいそううれしい。 でも、問題がないわけではない。自分で書いていて自信がなかったものを誉めてもらったのだ。しかも、いろいろひどいのも読まされてきたな、とあがった過去の作品名は、なんと私の自信作だった。 う…

明治賢人研究会

明治賢人研究会にまぜてもらったことが[日常]というカテゴリーに入るのかどうか甚だ疑問だが、さりとて、どんなカテゴリーを作ればいいのか思いつかない。この研究会をどう説明すればいいのか、これまた難しい問題なのだが、とりあえず、いまのところは内田…

大奥

将軍吉宗がとってもかっこいい。女だけど。若い男ばかりが死んでしまう恐ろしい疫病が流行って日本は圧倒的男性不足に陥ってしまう。結果この世界では家業も家督も女が継ぐ。貧乏人は婿をもらうなど死んでもできぬ相談で、小金を貯めて吉原へ行き子種をもら…

伊藤典夫「SFという名の建物」

SF

国書刊行会の「未来の文学 第Ⅱ期」のパンフレットに伊藤典夫さんの短い文が載っている。「SFという名の建物」と題されたその短文の一行目を読んで、なにがなんだかわからないまま痺れてしまった。 ここに建増しにつぐ建増しをかさねた建物がある 千字にも満…

宝物

またまた新入生を四人も迎えた。といってもやめた人も二人いるのだが、それでも最近は少し遅くに教室に入ると座る場所を探してしまうほどだ。今回は先生のお話ではない。 最近入った某氏の話。三十代半ばの男性。今回、初めて講評の番が回ってきた彼を中心に…

あらゆる場所に花束が

あらゆる場所に花束が… (新潮文庫)作者: 中原昌也出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/04/24メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 25回この商品を含むブログ (83件) を見る一週間ぶりくらいにPCの前にいる。なんだか億劫だった。基本的には読み始めた本は最後…

銀木犀

昼間、金木犀が匂ってきた時にふと思い出したのだが、もう長いこと銀木犀を見ていない。花が白い金木犀といえばいいだろうか。匂いも少し控えめだった気がする。 実家の庭には両方あって、その間にござを敷いてままごとをしていた。 毎年秋には庭で先祖のお…

我が愛する詩人の伝記 室生犀星

先週の木曜から甚だ気のふせるようなことがあり、それが昨日なるようになったというか、当然ろくでもない結果をむかえ、いくつになっても人と人の関係は難しいものだと朝から気が重い一日だった。 朝のうちに用があって人気の無い住宅街を歩いていると強い金…

恋愛

この日記の創作というカテゴリーは、いつか、創作に使うかもしれないネタを、とりあえず、断片的に書いておこう、という程度の意味で、当然創作や習作にはなっていません。覚書きかな。 この日記を読んでくださる方がだんだん増えてきたようなので、とりあえ…

過去語録

先日の教室の様子を書くことができないままになっていた。いろいろ思うことあったのだが、思いきって一つだけ言えば、「先生のおっしゃることは素直によく聞きましょう」ということになるかな。先生のおっしゃったことを、もっと、最初からきちんと書きとめ…

愚痴

明日が応募の締め切りだというのに、軟弱な短編恋愛小説をいまごろまだつつきまわしながら、グレッグ・イーガンの『ディアスポラ』を読んでいると、なんだかもう絶望という名にも値しないグダグダの感情が勢いもなくグジュグジュとまわりを取り囲む。『ディ…

ルノワール<舟遊びの昼食>

ちょっと前になるのだが、「フィリップス・コレクション展」@森アーツセンターギャラリー に行った。 この美術展には誘ってもらわなければ行かなかったと思う。誘ってくれた友人に深く感謝している。その思いは日がたつにつれ大きくなっている。(招待券を…

虫けら様

虫けら様作者: 秋山亜由子出版社/メーカー: 青林工芸舎発売日: 2002/05メディア: コミック購入: 2人 クリック: 21回この商品を含むブログ (21件) を見るなんの情報もなく、作者の名前すら知らなかったのだが、ここ十年でいちばんのヒット。手放しの一冊だ。…

雑感

どうも初志と違う日記になりつつある。いくつかの場で日記めいたことを書いてきたのだが、今回ここでは、もうちょっと、毎日の雑事を書きたかった。読みたい人がいるかどうかは疑問だが。例えば 「自由が丘のタイ料理の店クルン・サイアムでランチをごちそう…

龍宮

龍宮 (文春文庫)作者: 川上弘美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/09/02メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (79件) を見る読むんじゃなかった。ショックだ。いや、ショックだなどというのはおこがましいとは百も承知だが。 丁度、自分が…

夏の終わりは毎年辛い。夏ばてが年々ひどくなる気がする。今年はそれと腸炎が重なりビールを飲めないのでつまらないことこの上ない。特別に痛いところや不都合があるわけではなく、ごく普通の生活をしているのだが、私がお酒を飲まないとよほど具合が悪く見…

邂逅の森

邂逅の森作者: 熊谷達也出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/01/28メディア: 単行本 クリック: 17回この商品を含むブログ (42件) を見るこの本には普通なら手を延ばすことはなかったと思うのだが、少々わけあって読まないわけにはいかず、重い腰をあげて…