伊藤典夫「SFという名の建物」

国書刊行会の「未来の文学 第Ⅱ期」のパンフレットに伊藤典夫さんの短い文が載っている。「SFという名の建物」と題されたその短文の一行目を読んで、なにがなんだかわからないまま痺れてしまった。

ここに建増しにつぐ建増しをかさねた建物がある

千字にも満たないこのSFの世界を建物に見立てた紹介文は、かっこよくて楽しい。たくさんの人が読むといいなと思うけど、特に、かつてのSFファンが読めばいいのになと思う。きっとまたSFが読みたくなる、ような気がする。

さて、ジーン・ウルフの「ケルベロス第五の首」で幕を開けた「未来の文学 第Ⅰ期」はラファティの「宇宙舟歌」で幕を閉じる。そしてⅡ期はウルフの「デス博士の島その他の物語」で始まり、ベスターへと続く。

宇宙舟歌 (未来の文学)

宇宙舟歌 (未来の文学)