イーガンはお好きですか byシジジイ

同世代の作家というのは、好き嫌いを越えて何かを共有しているのでつい新刊が出ると読んでしまう。
例えば、村上春樹がそうである。ピンボールを読んだのが20歳。高3の頃からピンボールに凝って、大学に入ってからは目黒駅の駅ビルのゲームコーナーで「プレイボーイ」というスリーフリッパーの台にはまっていた私は、本屋で見るなり購入。それ以来、すごく好きな作家かと言われれば躊躇いがあるのだが、全作品をリアルタイムで読んでいる。
だから、ワンダーランドあたりから読み始めたファンだと聞くと、ちょっとした違和感を覚える。
しかし、海外SFとなると話はちょっとややこしい。翻訳だからタイムラグがあるし、情報がたっぷり提供されているとはいい難いので、中学生の頃にはもう、追いつかないほど読むべき作品が出ていた。
例えば、極端な話、恥をさらすようだが、ヴォークトの「非Aの世界」を私は1984年の25版で持っている。初版は1966年だ。
ディックやギブソンあたりでかなり追いついた気がしていてもまだまだなのだ。
そういう意味では、グレッグ・イーガンというのは、just同世代作家だ。読んでいて、まさにリアルタイムであると感じることができる。勿論「宇宙消失」はおもしろい。しかし、短編集の「幸せの理由」を読むとき、本当の意味においての近未来を私は感じる。そんなSFを読むのは久しぶりだ。いや、初めてなのかもしれない。
でもね、それってごくごく当然かも。だって、私はイーガンとほとんど同級生!(あーあ、年がばれちゃう)
グレッグ・イーガン、今、最も期待しているSF作家である。