「豊饒の海 春の雪」映画化

昨日初めて「春の雪」の映画化を知った。なんだかめちゃくちゃ驚いた。今、ここでその驚きについて書こうとして、なぜこんなにも自分が驚いているのかわからなくなった。

三島由紀夫はおそらく私のいちばん好きな作家だ。おそらくとつける私の優柔不断を許していただきたい。そして、三島作品の中で一つあげろといわれれば、これは迷わず「豊饒の海」だろう。特に四部作の「豊饒の海」の始まりの巻「春の雪」は何回読んだかわからない。この作品についてあれこれ言う力は私にはない。ただひとつ言えるのは、読んだ後はいつも自分の書く日本語が「ハナクソ」のような気がするということだ。

老若男女「春の雪」のファンは多いし、世は純愛ブームだし、映画化されないほうがおかしいほどなのだが、それでもなんとなくこの作品の映画化はないような気がしていた。できないだろう、と思い込んでいたのだ。大体清顕様を誰が演じるというのだ……
清様はなんと妻夫木君が演じます。あー、どうなんだろう、妻夫木君は嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、いいのか、彼で。判断つかない。
しかし、他にこの俳優はどうだ、という候補も思いつかない。実は昨夜、さんざん考えたのだが、これならという俳優さんを思いつかなかった。(もし、思いついた方があれば、どんどんコメントしてくださいね)

あの雪の中、人力車に二人で乗る息がつまるような切ないシーンはどうなるんだろう。どうなるんだろうとか言いながら、私の頭の中にはまるで映画を見たかのような映像がすでに出来上がっている。三島の文章がすご過ぎて読んだはしから脳内で映像化されてしまっているのだ。
多くの人が既に各人各様の脳内映像化している「春の雪」を「セカチュー」の行定勲監督はどんな映画にするのでしょう。楽しみです。評判良くても悪くても観に行きます。しかし、本多は誰が演るの? 以前、コッポラも映画化を考えたらしいけど、どこでこれを撮影する気だったのかな。

なにはともあれ、今秋公開予定。