トロフィー

12月14日に西荻窪で、西荻ブックマークのイベント「超短編の世界」が開催された。会場には東雅夫さん、高原英理さんの姿も見え、こけしや別館の二階がいっぱいになるほどの盛会だった。


超短編というのは、「数十文字から数百文字で書かれた文学」で、今回も500字以内という規定のもと、このイベントの企画の一つとして、超短編作品の公募があった。
超短編には以前より興味はあったものの、500字で小説書くなんて絶対ムリ、と尻込みしてきた私だが、今回は思いきって応募してみた。
その結果が、当日イベントの第二部で発表され、歌人佐藤弓生さんに選んでいただいて、入賞することができた。


入賞しただけでもうれしいのに、なんと、新進気鋭のアーティスト山下昇平氏製作のかっこいいトロフィーもいただき、その上、迫水由季さんに作品の朗読もしていただけるという、豪華特典付き入賞で、発表後、うれしい、うれしいと何度も繰り返してしまった。
トロフィーをもらうのも生まれて初めての経験だし、自分の作品が、多くの人の前で朗読されるなんてことも、当然初めてで、ただもう、呆然と聞いてしまった。


今回は、山下氏のオブジェから得たイメージを作品にするというのが与えられたテーマだったのだが、フォルムも色も、とても美しく繊細な手首のオブジェで、このオブジェがお題でなければ、書けなかったかもしれないなと思う。


長くても短くても、一つ作品を書き終わる度、いつも行き詰ってばかりだが、今回のイベントでは、第一部の超短編の主宰お二人のトークショーの内容や、佐藤さんの歌人としてのスタンスからのお話、二次会でお聞きした山下画伯のお話等、刺激を受けることが多く、新しい力を得たような気がする。今まで使ったことがない筋肉の動かし方を習ったような感じとでも言えばいいかな。


選考基準が不透明な公募が多い中、応募作品全てを公開した上で入賞者を発表するという、超短編のお二人の姿勢と、自信に爽やかな心意気を感じた。

写真が、人生初のトロフィー。