ゲド戦記?「帰還」 byシジジイ

一読したままになっていたゲド戦記?「アースシーの風」 ル=グウィン 岩波書店 を再読。前作の「帰還 ゲド戦記最後の書」から十一年。テハヌーの謎がとけてすっきり。

「帰還」が出たとき、幾人もの人がゲド戦記は三部作であって、決して四巻は認めないぞ、と失望の声をあげたが、私は四巻目を読めば読むほど好きになる。
ちょうど、最初に読んだのが毎日をめそめそしながら過ごしているときだった。今思えばそれは私にはどうすることもできないことだったのだが、当時はまるでその悲しい出来事の全てが自分のせいであるような気がしていた。
「帰還」とその当時の私の悲しい状況にはなんの共通項もない。しかし、他に何もできず寝っころがって本を読むばかりだった私が、読み終わる頃には座って読める程度には回復していた。
今、もしかしたらあの時と同じ悲しみに対面することになるかもしれない局面にいる。けれども、そうなったら今度もまた「帰還」を読むことにするよ。

確かにね、そりゃあ、?、?、?はおもしろいさ。読み始めたらいつだって続けて一気に三巻読んでしまう。
それにひきかえ、?と?の静かなゲドはおもしろくないかもしれない。けれど、おもしろいから好き、おもしろくないから嫌いっていうのはわがままだし、打算的だ。おもしろくなくても好きっていうのが本当に好きっていうことじゃないかな。

さて、またしてもうせものの話。
グールドの「ダーウィン以来」早川書房の上巻がみつからない。大体、家が狭いので本を一箇所にまとめておくことができず、四箇所にわけてあるのがいけないのだ。ちょっと前に読み返そうと思ってないことに気がついたのだが、この本、いまや文庫で出てるので、そっちで上巻買えばいいや、などと考えていたら、文庫は一冊で出てることが判明。別にそれでも文庫で買えばいいんだが、なんか下巻がちゅうぶらりんになってやだなぁ。