桜桃 byシジジイ

六月十九日午後、桜桃忌であることを失念したまま師にお会いする。
みんなここのところ疲れてるようだからと、「桜桃」の一節を朗読して下さる。
何年も読んでいないのに、朗読が始まったとたん、次々と太宰の文章が思い出され
る。
大人になってからは「津軽」くらいしか読み返さなくなってしまった。

「少しぐらい体裁が悪くても、自分の書きたいものを書いていく勉強をしなさい」
師の言葉が沁みる。