ものの大きさ byシジジイ

一日のうちに続けざまに「大きさ」で驚くことがあった。
どちらも写真などで昔からよく知ってるはずのものだったのだが、本物を見たことがなく、実物を前に大きさに驚いたのだ。

一つは、高村光雲の「老猿」
大きい。こんなに大きなものだったのか。スケールにして1/4くらいのものを長らく想像していた。
迫力も並外れている。
光雲のとてもおもしろい本を読んだことがあるのに、今、タイトルを確認しようと本棚探したらみつからない。いつもながらなさけない。

二つ目は、薬師寺の国宝「吉祥天画像」
小さい。こんなに小さいものだったのか。6倍くらいの大きさのものだと信じきっていた。ライティングの位置が私の身長と相性が悪く少々欲求不満だが、美しくありがたい。いまにももう一歩ゆっくり前に進みそうなお姿。

そういえば、いままでで一番本物をみて驚いたのはなんだろう。
そうだ、中国の「兵馬よう」だ。大きな大きな体育館のようなドームに入ると、見渡すかぎりの近衛軍団。
写真やテレビで何度も見ていたはずなのに、ただ、ただ驚愕した。いまだに、同行者とその話になると、「驚いたよねぇ、あれには」と言ってしまう。


今日の文学メモ
「雪沼とその周辺」 堀江敏幸 新潮社
片道45分の地下鉄の往復で読めます。おだやかな話ばかりの短編集。「スタンド・ドット」が一番かな。悪い人はでてきません。