パイ生地 byシジジイ
明日は我家で大宴会をする予定。学生時代、さんざん私のあまりにも未熟な料理を食べさせた古い友人も来るので、名誉挽回としたいところなのだが…。
そんなわけでこの夜中に私はパイ生地を練っている。いやパイ生地は練ってはいけない。ねばりをださないのがコツだ。何層にもなった軽いパイを焼くには、バターは勿論のこと、小麦粉も前の晩から冷蔵庫に入れておき、ボウルも伸ばし棒もなにもかも冷たくしておかなければならない。そしてなによりもやっかいなのが指先だ。氷水に手を痛くなるまでつけて冷たい指先にする。難しくはないが条件を揃えてやらないとだめなのだ。
子供の頃、母は寒い冬の夜、窓を開け放して凍えながらパイを作っていた。
私はアレンジしまくりの極端にアバウトな料理か、そうでなければ、科学実験のように個人の好みや裁量をあまり受け入れてくれない小うるさい料理が好きだ。どちらもどんどんその作業に没頭していく感じがいいのだ。
さて、今夜はうまくいかない。手が冷やしても冷やしてもすぐ熱くなるのだ。こんな熱い手ではバターがすぐに溶けてしまう。それで、仕方ないので少し作業を進めては冷蔵庫で生地を冷やしている。いまも、冷やしているところで、待ち時間にこれを書いている。
後三回ほど伸ばして折りたたんでをくりかえしたら完成だ。
作っているのは、前菜にする小さなミートパイ。……しかし、ここでこれをアップして、明日膨らまなかったら、どうしたらいいのだろうね。暖冬のせいにでもすればいいかな。