バレンタインなどなど

根がミーハーなので、クリスマスとかお誕生日とかバレンタインとか、そういう行事がわりと好きだった。クリスマスにプレゼント交換したり、お誕生日にお祝いしたりお祝いされたり、バレンタインに輸入されたばかりのチョコをあげたり、ホワイトデーに思わぬお返しもらって喜んだり、商業主義と軽薄雑誌の手先のようなことをしていたのだが、でも、そういうのが楽しかった。イベント好きなんだろう。
それに、たまには着飾ってお出かけしたほうが男も女もいいと、私は思う。ハレの日がないのはつまらない。

とことんそういうイベントを嫌う男の人もいるが、それはそれで仕方ないとも思う。こういうことの多くが女性にとって楽しく心地よいイベントになっているので、女性を喜ばせたいと特に思わなければろくな習慣ではない。
昨日のニュースで、アンケートの結果、男女ともに多くの人々がチョコを送る習慣がなくなればいいいのにと思ってることが判明したと報道されていた。


そういえば、不思議な目にあったことがある。友人のそのまた知り合いである男性に、自分は家庭環境が複雑だったこともあって、お誕生日のお祝いというのに縁がなかった。一度お祝いをしてもらいたいのでお願いできないだろうか。勿論、あなたのお誕生日には私がお祝いをさせてもらうから、と頼まれたのだ。
ちょっとへんな話には思ったけど、特に深くも考えず、そうですか、とお祝いをしてあげた。プレゼントをあげたりケーキを食べたり、乾杯したりというありきたりのお祝いだったけど、すごく感動してもらえて、みんなでハッピーバースデーを歌ってあげたら、その人はちょっと涙ぐんだりして、手を握らんばかりにして感謝された。そして、私のお誕生日には必ずや大きな花束とプレゼントでこの厚意に応えると頼みもしないのに何度も約束してくれた。
さて、それから何ヶ月かして私のお誕生日間近に彼からメールがきた。
『最近お金がないのでお祝いできません』
しばらくしてから、風の便りに、彼が見晴らしのいいマンションを購入したことを聞いた。
お金がないなら喫茶店のケーキセットでお祝いしてくれるだけでもかまわないのに、と思ったけど、マンション購入目前の彼にはそれすら無駄な出費に思えたのだろう。


話がとんでもなく横道にそれた。
何を書こうとしてバレンタインの話しを始めたのだっけ。
ああ、そうだ、そういう季節のイベントや記念日があんなに好きだったのに、結婚したらどうしても結婚記念日を忘れてしまう妻になってしまった、なんでかな、って書きたかったんだった。なぜだか、どうしても結婚記念日を覚えられないのだ。いつも夫に、「今日は何の日か覚えているか」と言われてはっとするのだ。

自分のお誕生日はもうお祝いする日ではなく「また年をとったのをお慰めいただく日」になってしまったし、バレンタインも「自分が高級チョコを食べる日」化してしまった。それでも、誰かのお誕生日をお祝いするのはいまでもとても好きなことのひとつかもしれない。

ちなみに、我が家では娘のお誕生日が一番盛大で、次が犬のお誕生日。夫と私は誕生日が近いので二人まとめてとりおこなう。