アバンチュール
「アバンチュール……聞いたことあるけど、なんでしたっけ?」 と、ついさっき若い女性に言われて、やっぱり死語だったかと、なにかこれに代わる適切な言葉を捜したのだけど思いつかなかった。あえて言えば「火遊び」だろうか。「火遊び」もアバンチュールに負けじ劣らず古い言葉になってしまった。
それにしても、なぜ人はアバンチュールがうまくいってる間はひた隠しに隠しているくせに、破綻しかけた途端に誰かを巻き込んで大騒ぎをするのだろうか。短期間で深い関係にまで発展したアバンチュールなど、どちらがどちらをだましたとか、どちらがより強引に押したとか、そういうことではない気がする。二人ともが求めていたから、そんなにとんとん拍子にことが進んだのだろう。それがうまくいかなくなったからって、他人に相談してお互いの不実を言い募ってももう修復はできない。お互いが平等に数回のアバンチュールを楽しんだのであれば、それをもって良しとするしかないだろう。
アバンチュールって冒険だから、いろいろ思ってもないことがあってもしょうがない。
なんにせよ、恋の後始末は二人だけでするべきだといろいろなケースを見るたびに思う。それがいちばん傷が小さい。
もし、どうしても相談したいなら、うまくいってる時から話しておくしかない。
アバンチュールといえば「卒業」のミセス・ロビンソンを思い出す。
今みたいに結婚が恋愛の障壁にならない時代でも、ダスティ・ホフマンはやっぱり、ミセス・ロビンソンの娘を花嫁衣裳ごと奪取しにいくのかな。一緒にバスに乗って逃げるのかな。
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