『大奥』第二巻 よしながふみ

そうか、そうか、二巻はこうきたか。壮絶! みんな読んでるだろうな。おもしろい。

というわけで待望の『大奥」第二巻。
舞台は一巻の吉宗から時代を遡り、春日局が大奥で権勢をふるう三代将軍家光の代。若い男ばかりが命を落とす謎の疫病が江戸の町を覆いつくし、ついにお世継のないまま家光も命を落とす。
かくして徳川家、いや、溺愛する家光の血を絶やさぬため希代の女傑春日局の暗躍が始まり、男女逆転の大奥の成立が描かれ始めるのだが(二巻ではまだ成立しない)、とにかく説明しっぱなしの230ページだ。
話の主軸は、公家に生まれ院主となった青年と、家光が密かに町娘に産ませた過酷な運命を歩む少女とのひりつくような恋愛なのだが、それすら、なぜ、二人がそうならざるをえないかをこれでもかこれでもかと作者は説明する。
こんなに説明するマンガも珍しい。もう、よしながふみが止まらなくなっている。

説明するマンガって、それはどうなのよ、という意見もあるだろうが、おもしろいものは仕方ない。早く次を読ませてくれと思うのだから仕方ない。
説明するといっても、別にストーリーがト書きのごとくただ説明されているわけではなく、よしながふみの中に湧きに湧くものが追いかけるように描いてあるのだ。

第三巻を読むにはまた一年待たなければならないのだろうか。

大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302))

大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302))