鰭崎英朋

妖艶粋美──甦る天才絵師・鰭崎英朋の世界

妖艶粋美──甦る天才絵師・鰭崎英朋の世界

先月末に弥生美術館の鰭崎英朋展へ行ってきた。
いつもながらの展示。
何もかもがぎゅぎゅっと詰めて並べてある。
最初はこの美術館にくるたびにぎょっとした展示方式だが、最近では驚かなくなった。


英朋初の画集も販売されていて、見本を手にとってながめることができた。
画集の表紙には、鏡花の『続風流線』の口絵が使われているのだが、是非とも、画集の裏表紙(表4)に使われている絵にも注目して欲しい。
八犬伝の伏姫の絵も好きだけど、この表4の絵もとてもすてき。
この画集は二冊買って、一冊は絵の好きな義妹に送ろうと思った(まだ送ってないけど)


鏡花つながりで、もう一つ。
北浦和公園にある埼玉近美の「小村雪岱とその時代」展。
以前、この近くに住んでいて、幼い娘をよくこの公園で遊ばせていた。
長い移動のお供には、積読になっていた、田辺青蛙の『生き屏風』をバッグに入れた。
特になにか考えての選択ではなかったのだが、雪岱展に行く道中読むにはよい本だった。


小村雪岱は小さいもの好きだ。
几帳面なのに、モダン。
いかにも鏡花に愛されそうな画家だ。
雪岱が装丁した、かわいらしく美しい本が、泉鏡花記念館からたくさん出品されていて、しげしげ眺める。
表紙を開けた見開きに絵のある本はいいな。


生き屏風 (角川ホラー文庫)

生き屏風 (角川ホラー文庫)