本当に久しぶりに100枚を超えそうな小説を書いている。
短いものはいくつか書いていたが、もう、長いものは書けないのかもしれないと思っていた。

突然思い立って小説を書き始めたばかりの頃、高橋昌男先生の言葉ひとつひとつが宝物だった。ずっといつも覚えているつもりだったけど、覚えてはいても薄まっていたような気がする。

小説は演説してはいけない。
小説は説明してはいけない。
小説は描写しなくてはいけない


据えっぱなしのカメラの前を登場人物が行ったり来たりしているような小説では深まっていかない。


自分が書いてるときは、なにも読んじゃだめだぞ。君なんか、読み散らかしているんだろう。だめだよ。書いてる最中に読むと優越感持つか劣等感持つか、どっちかなんだから。


文章というのは、読み手を常に意識して相手に伝わるように。


同人雑誌に必ず「闘病物」と「嫁姑物」は出る。しかし、そのほとんどが、手記であって小説ではない。


模写をしているのではない。模写するならば写真をはっておけばいい。現実のベールの奥にあるものをあばくのが文学である。


日本の小説は淡々と書くのが美徳かのような思想があるが、たまには脂っこいものも食べたいし、美味しいじゃない。だから、あまり淡々と書きすぎないように。


そして、特に大切に思える二つ。

少々体裁が悪くても、書きたいものを書く勉強をしなさい。


恋愛小説、いいじゃない、小説の王道だよ